2018年 06月 14日
Honda ディーゼル耕耘機 F90 ディテール写真集
先日ホンダコレクションホールで某メディアさんの取材に同行したところ、
F90をわざわざ野外にディスプレイしていただけたので
(ホンダさんありがとうございます!)
ディテール写真をめっちゃ撮ってきました。
模型製作の資料になるゆえ、みんな穴が開くまで眺めよう。レッツ、近視眼!!

晴天で見ると赤がビビッド!土や草の中でも目立つ赤は、ホンダにとっても特別な色なのです。

シルバーのカウルは塗装です。左右ライトの間はメッキのグリルとなっていて、内部にホーンがちらっと見えます。
プラモのパーツ分割ラインも実車同様なのが伝わるかと!

■ノーズ(??)の上面です。
プラモではシルバーのパーツが赤いカウルを突き抜けてホンダロゴの下地になるよう設計しました。
ビス止めされたロゴプレートの質感や、昔のHONDAロゴ(デカール6)をじっくりとご堪能ください。

中身はお見せできないのですが、フェンダーの厚みや各部カウルを止めるネジ(黒い樹脂のツマミが付いてます)がわかります。
流線型の上部カウルがピシーっと後部のアウトラインにつながっていくのがかっこいい!

補助輪(ロータリーの後部に装着されます)が付いていて、後ろ荷重で展示しているのでスタンドが浮いてますね。
前方に装着されたカウンターウェイトはムクの金属(鉄塊?)に赤のペンキでベタッと塗装してあります。

ここは熱を持つ場所なので、直接触らないようメッキのガードが装着されていますね。
また、熱がフューエルタンクに伝わらないよう、内側にもシールド代わりの金属板が挟み込まれています。

プレスとフチの折り曲げ加工も美しいカウルと、後方へ伸びるブーム(中央できれいに溶接されています)がツライチになっています。
この造形がF90最大の魅力と言っても過言ではございません。

ハンドルは塗装のシルバーではなくメッキシルバーの質感。右にバックミラーがあります。
そのちょっと後ろにある黒いボタンがおそらくホーンのスイッチ。軟質樹脂製で押すとグニッとした手応えがあります。

ロータリー後部のマッドフラップはシルバーの帯金ごとリベットで留められています。
両サイドの赤いパネルは蝶ネジを緩めることで上下に可動。
ロータリー上部のシャフトは全長が可変して、ロータリーユニットそのものの角度(耕す深さ)を変更する機構であります。


ピボット部分はV字の金属板(J9、J10と一体成型)でロータリーの回転ユニットと接続されています。
ハンドルの回転中心が赤いブームと接していない構造はプラモでも確認できます!
で、V字の金属板はクリーム色の樹脂で覆われており(この展示車両のものは被膜が劣化して部分的に剥がれていますね)、
(おそらく振動による金属疲労を起こさぬよう)中央にスプリングが渡されているのがわかります。

シルバーのカウルの後部はエアアウトレットのように開口されていますが、おそらく機能的なものではなく、
意匠としてかっこいい!ということのようです(プラモではやや厚くなっているので、薄々攻撃でシャープにするといいかも!)
で、フューエルタンクのように見える部分に、なにやら黒い蛇腹が入っていくのが見えますよね……。
さらに、銀のフューエルキャップもタンクから浮いているように見えます。

上部も側面も、アウトラインを流麗にまとめるために、わざわざフューエルタンクの外側にもう一枚意匠としての「ボディ」がある!
なので、フューエルキャップを取り外すと「カバーを貫通した筒」を通して軽油を入れる構造になっておるわけです。
このデザイン、凝りすぎ! コスト、かけすぎ!!

■左側面に貼られたステッカー(大、デカール9)は諸元、小さい方(デカール8)はロータリーの回転方向のセレクトレバーです。
黒い樹脂パーツはカウル(繰り返しますが、この赤いガワはフューエルタンクの"外装"なのだ……)を取り付けるためのネジ。
HM(ホンダモータース)のロゴタイプが彫刻されています。

こちらは本体の駆動系ではなく左に装備されたチェーンケース(銀色の「I-1」パーツ)に対する注油指示と、
ロータリーのシフトごとにおける回転数が記載されています。

■ホイールとタイヤ(これは左サイドです)
六角シャフトは中空、ホイールはナット4本で固定されており、
各部の構造をよく見ると、オプションパーツの増設やホイールオフセットも可能な設計になっています。
エアバルブはホイールの開口部から飛び出しているのがわかりますね。

注油口が斜めに飛び出していて、おそらく右上のクリアーブラウンのパーツがレベルメーター。
フェンダーの取り付け部やスタンドのスプリングなど見どころが多い部分です。
プラモではややオーバーに凹凸を表現していますが、実物を参考に各部の質感を買えると面白いかもしれません。


中央の3本は樹脂の蛇腹を黒く塗り分けるといい感じですね。
正直にょきにょき生えたレバーの具体的な機能と操作方法については不明な点もあって、
どれがなんなのかここで詳説することはできません……(まだF90を使用されている方、ぜひご一報を!)
ひとまずここでは各部の位置関係と色の参考にしていただければ。

■ハンドル右側にあるのはスタンド格納レバー。
わざわざ前方まで回り込まなくても、このレバーをがちゃんと引っ張ればワイヤーを介してスタンドが格納できるワンタッチ機構だったんですね。
このへんが「女性にも扱える耕耘機」として開発され、手元に操作系が全部集約されたF90の特色でもあります。

■左にあるのはブレーキ。ロック機構があるところを見ると、クルマで言うサイドブレーキ的なものと考えられます。
そもそも「アクセル」ではなく、クラッチのオンオフで操作するのが耕耘機ですから、
こうした機構はバイクとかとちょっと異なります。

■この自転車のベルみたいなものが、エンジン回転数を制御するアクセルレバー。
先述したとおり、耕耘機はアクセルの開閉ではなく変速機操作とクラッチのオンオフで進行、走向をするものなんですねー。
(なので、走行中は触りにくい中央にアクセルレバーがあっても問題ないんですね)

■ブーム後端の樹脂パーツはクリーム色。
フェンダーやホイールの色と韻を踏んでいるのがかっこいいですね。
黒いダイヤルはセルスターターのスイッチで、2つのステータスランプ(左が透明、右が赤)が付いています。
K3パーツにも同様のディテールを入れましたので、ぜひ塗り分けて精密感を演出してください!

……ということで、F90のディテールをいっぱい紹介いたしました!
弊社アイテムはもちろんパチ組みでも楽しめるよう設計していますが、こうして実機を知ると
実際の使用シーンや細かな色分け、機構のイメージが湧いて制作意欲もアップするのではないでしょうか。
で、「本物を見てみたい!」という方は、もてぎのコレクションホールにぜひ足を運んでみてください。
F90以外にも、プラモで親しんだあんな車両やこんな車両がもりだくさんで、一日中いても飽きない夢空間です!
Hondaの歴史に触れつつ、みのりちゃんが操るマシンの迫力を感じてくださいね!
ではでは!
by plamax
| 2018-06-14 19:10
| minimum factory